平谷 美樹×織笠フリー対談

 

今回は、作家で、FM岩手パーソナリティー、 釣り仲間の平谷さんをゲストに、フリー対談していただきました

平谷::最近名ばかりのエスプレッソがあちこち出回ってますよね。

織笠::正直いって、これもイタリアで飲むストロングタイプのものではないんですけど、私は好きですね…

平谷::大学時代、ちょっとだけパリにいて、あそこのカフェで飲んだエスプレッソが、衝撃でした!初めてちゃんとしたエスプレッソを飲んだんですよ…

織笠::平谷さんは『職人』というのをどう捉えていますか?

平谷::注文は断らない!クライアントが望んでいるものに限りなく近づける。

織笠::なるほど!私もです。お客様に喜んでいただけて初めて職人ですよね。自分のエゴだけで職人というのは通用しないのかなと。本当の職人はウケなきゃいけない。

平谷::それに加えて自分の書きたいところはしっかり書く。それでそのクライアントを納得させながら、自分も納得するものを書く。今まで嫌な仕事っていうのは1回もやったことがないんですよ。嫌に思えるような仕事でも、切り替えて切り替えて、ここだったら面白くやっていけるっていうところを突っ込んでいくっていう…

織笠::なるほどね…

平谷::毎日が楽しいですね。

織笠::モノづくりでも同じですね。これだけアイテムがあってもつくるのが嫌なお菓子はないですから。製品として出た段階では自分の子供を生むような感覚でやってますんで…

平谷::モノをつくるっていうのはそうゆう感覚でやっていかなきゃないですよね。

織笠::では、インスピレーションっていうのはどこから生まれるのですか?

平谷::よく聞かれるんですが、たいがいの小説家は“降ってくる”って言うんですね。でもそう答えたんじゃモノ書きとして失格。そのプロセスを全て明確に答えなければならないと思って考えたんですよ。で、日常的に色んなモノに興味を持って、色んなモノを観察しながら、頭の中に入れていく。無意識にね。それが頭の中で無意識につながったり離れたりしながら、コンピュータの計算みたいなのが繰り返される。それを常にやってる感じですね。

織笠::でも読むんじゃないですか?コレとコレが合えばこうなるんじゃないかなって自分の中でできあがっていくんじゃないですか?

平谷::意識の中でそれはできあがってますし、ある程度の方程式は頭に入っていて、その組み合わせを続けているような感じですね。

織笠::実は私も方程式があって、コレとコレを組み合わせればこの味になるっていうのが頭の中で分かるんですよ。それは私の特技かなと思っているんですけど…けっこうブレないんですよね(笑)。話が変わりますが、本は残るじゃないですか。それがすごいなって思います。お菓子は消えちゃうんで…

平谷::それはやっぱり茶道と一緒じゃないですか。一期一会。瞬間の芸術ですよ。私は茶道はやらないけど、外から眺めていると、全てその場で消えていくものですよね。でもそれが美しいなと思うんです。本は残るけれど、流行り廃りがありますから…流行りを追っていったものって、後から読み返すと古臭いんです。残るに値するものに近づけて行きたいですね。

織笠::いや~平谷さんと話していると尽きないですね。1日でも足りないくらい…

織笠:そうですね。楽しかったです。今度、イベントやりましょう!そうだな…場所はキャンプ場とか川の近くなんかがいいですね…

平谷 美樹
Yoshiki Hiraya

岩手県出身、2000年、『エンデュミオン・エンデュミオン』で作家デビュー。同年、『エリ・エリ』で第1回小松左京賞を受賞。
作家の傍らFM岩手『焚き火の時間」のパーソナリティーを努めながら、趣味の映画制作や釣りに勤しむ。